ひじきまめ通信

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【自転車事故】100%被害者なのに、過失ありとは?

まだ春までは遠いある日、冷たい小雨の降るなかで、自転車同士の事故に遭いました。

子どもを自転車の前座席に乗せた状態でした。

幸い子どもは無傷、私もケガとしては膝の打撲ぐらいで済みましたが、救急搬送される事態になりました。

 

全く前を見ていない自転車がこちらに突っ込んできたもので、警察も全面的に相手が悪いと認めるような、 ほぼもらい事故でしたが、むしろ完全な被害者だからこその、たくさんの面倒がその後に降りかかってきました。

 

今回実感したことはたくさんありましたが、

100%被害者になると損をする

このことが、特に心に刻まれました。

私の苦い経験が何かの参考になればと思い、書かせていただきます。

 

事故の経緯

 

事故当日、いつものように、会社帰りに娘を保育園に迎えにいき、夕飯の買い物をしてから自転車で帰宅していました。

小雨が降り、時折強風に煽られるようなお天気でした。私と子供の両方が雨合羽を来て、いつもよりゆっくりと慎重に走っていました。

自宅がもう目の前に見えるあたりに来たとき、その日何度目かの強い風が吹いたため、速度をかなり絞りました。

そしてふと前方を見ると、傘が迫ってきます。

 

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こんな感じ

傘に隠れて、自転車と足が少しだけ見えるな。。

あれ?止まらないな。。

あれ?迫ってくる!?

ギャーぶつかる!!!!!!!!

と、どうすることもできずその場に停まって身構えたときに、勢いよくぶつかってきました。

相手を認識してからぶつかるまでは3秒ぐらいでした。

全く避ける時間はなし。

自転車の左側前方にぶつかられて、娘を乗せたまま横倒しになりました。(相手側はノーダメージ)

まさに血の気が引くとはこのことで、子どものことが心配で軽くパニックになりながら身を起こし、急いで娘を抱き起こしました。

 

見たところ娘に怪我はないですが、火が付いたように泣いていました。私は震える手で、消防と警察に電話し、 すぐに救急車が着きました。

※当時娘は1歳半を過ぎていましたが、ヘルメットがまだちゃんとかぶれないほど頭が小さく、無理にかぶせると嫌がるのでかぶせていませんでした。これは本当に反省です。この後は必ずヘルメットをさせるようになりました。
※なお事故の際の緊急連絡ですが、基本的に加害者により通報してもらうべきなのだそうですね。 当時私は、相手にこのまま逃げられたりしたらどうしようなど、回らない頭で無駄に考えた末、急いで自分で通報してしまいましたが、その間中子どもは泣いていましたので、かわいそうなことをしました。

 

救急車の車中で、娘は泣きやんで、途中からは一緒に歌を歌いはじめました。

ほっと胸をなでおろします。

救急隊員さんや診察してくださったお医者さんいわく、小さい子供は被曝のリスクから、よほどの場合を除いて、レントゲンを取ることはしないそうです。

うちの娘も、外傷がないことや、意識がはっきりしていることから、いったん経過観察となりました。

 

普段の日だととっくに娘は寝ている時間帯になって、やっと病院を出ることができました。

※私のケガは、両膝を強めに打っていて、片方から結構出血していました。 子どもが心配でそれどころではなく、出血に気づいたのも帰りのタクシーの中でした。

 

事故の翌日は祝日でした。加害者(未成年)が家族で謝罪に来て、うちが100%悪かった、できるだけのことはさせてもらうとのことでした。

幸いにもケガはたいしたことなく、何より娘が無事で、自転車の破損もハンドル周りの一部だけ。相手は 100%の非を認めており、警察での証言もこちらのものと合致している。ここまでシンプルな事故であれば、あとは補償について少し話せば即解決すると。

 

気軽に考えた私は甘かった。

 

「100%被害者になると損をする」とは?

 

今回の事故が3月に発生し、最終的に補償内容が確定して賠償金の支払いがあり、すべてが解決して終了したのは7月になっていました。

自転車同士、被害者(私)の負傷は打撲程度、事故状況に争いなし。

この状況で、5か月もかかるとは、私は想定していませんでした。

 

賠償がされるまでの期間、ケガの治療、示談交渉や勤務先との各種調整など、しちめんどくさいことが山ほどありました。

 

なかでも一番苦痛だったのは、相手保険会社とのやり取りでした。皮肉にも、私に非が無かったがために、 個人で交渉しなければならなかったのです。

 

相手保険会社とのやり取りが苦痛だった理由は色々とあり、なかでも一番は担当者の人格的な問題だったと思っていますが、それはここでは触れません。

その部分を除いても(もう少しまともな担当者が相手であっても)、保険会社と直接交渉するのは素人にはなかなか大変です。

 

交通事故など、人生で何度も無いもので(私は初めてでした)、事故後にどんな手続きがあるのか、当時私には何一つわかりませんでした。 そんな中で色々と事務的に畳みかけるように言われても、内容の是非を判断する根拠もなく、戸惑うばかり。

せめて自分で可能な範囲で調査をして進めようとしても、こどもがまだ小さく、日中は仕事もしている身では、調査に割く時間はなかなかありませんでした。

かといって相手の言うままに進めると、理不尽な内容で決まっていきますので、片手間にはできません。

いっそのこと、賠償額を超えるお金を支払っても構わないから、だれかプロに交渉を任せたいと思ったものでした。

 

過失がなければサービスを使えない

 

私も示談交渉代行サービス付きの自転車保険に加入していましたので、条件次第でプロに交渉を任せることもできたのですが、そのためには、「私にも過失がある」(正確には賠償責任がある)ことが必要でした。


事故の相手に対して何らかの賠償が必要であれば、加入している保険会社に、交渉を一任することができたのでした。 (保険会社は商売でやっていますので、自分達の懐が痛まない案件に口出しはしてくれません)


しかし、私の場合は一方的に補償を受ける立場だったため、相手の保険会社と直接、慣れない交渉を強いられました。
(弁護士に依頼する方法もありますが、賠償額から何パーセントかを弁護士報酬として払うことになるため、微々たる事故は断られます)

 

賠償の必要はないが、過失はある?

 

しかもおかしなことに、いざ交渉が始まると、「動いている限りおたくにも非がある」と言われるのです。

結局8:2で、私のほうにも2割の過失があるという示談内容が送られてきました。

 

避けようもなく突っ込んでこられて、2割の過失って結構な割合に感じます。

 

車同士、自転車同士など、双方が同じ条件の場合、過失割合が0と認定されるケースは限られるということは、話には聞いていました。

ですが、やはり納得しがたく、何度か説明を求めました。過去の判例がどうの、保険会社の決まりでどうのと、納得は全くできないが、反論も難しいような回答が毎回返ってくるだけでした。

 

そもそも過失がなく賠償義務もないから、自分の自転車保険のサービスが使えないと言われたのに、一方で過失があるとはどういう意味か。 (ちなみに私の加入する保険と相手保険会社は同一の会社)

自分の保険担当にも改めて問い合わせましたが、「お相手に賠償しなければいけない場合以外は、示談交渉の代行はできない」と繰り返されるばかりでした。

 

いまだに、この一連の、保険会社ご都合主義の理屈は、理解も納得もできていません。

 

このとき私に何かできたとすれば、加害者に頼んで、なんでもいいので何かを(傘とか)賠償してくれと適当にでっち上げてもらい、こちらにも賠償義務を発生させる方法をとれば良かったのかもしれません。

そうすれば自分の保険会社に示談交渉を代行してもらえ、過失相殺によりうちの実損はなく、余計な苦痛を味わわずに済んだような気がします。

もちろん褒められた方法ではないでしょうが、そうでもしないと損ばかりです。

 

過失割合は結局、提示された20%で合意しました。

納得はいきませんし、せめて10%に減らす交渉はできたかもしれません。

でももう疲れていました。

 

賠償額は、けがの治療費、交通費や自転車の修理代など、実際にかかった費用に、わずかな慰謝料を足した全体額から、過失割合分を引かれた金額になります。

今回、全体額でも数万円なので、過失割合が仮に10%減ったところで、増える補償額はそう多くはありません。

そこを争って、この嫌な交渉を長引かせるよりも、修理代や治療代の実費分だけでも出るなら、それで早く終わりにしたい。

色々と疲れてしまって、最後は言われるままに合意しました。

 

ちなみに、結局いくらぐらい払ってもらえたかというと、過失相殺で結構削られて、一万円以内です。父親が病院にかけつけたタクシー代と、病院で食べたコンビニご飯代で終了です。(ちなみに本人以外の交通費は払ってくれませんし、こういう食費も保障対象外です。)

ほんと事故って馬鹿馬鹿しいですよ。

 

今回は、事故による損害がそもそも少なかったため、そういった妥協もまぁアリだと思います。

ですが、事故の規模によっては、10%の違いが大きなものになりますし、一度合意した内容をくつがえすことは 基本的にはできませんので、気力・体力・時間があれば、ここでは妥協しないほうがいいです。

妥協してしまうと、金銭的なことだけでなく気持ちの面でも、解決後もいつまでも微妙に被害感情が残って、ふいに思い出してはモヤモヤすることになります(=私のように)。

 

上記の他にも、今回の事故で実感したことは色々ありました。よろしければ、続編記事もご覧ください。

 

 

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