ひじきまめ通信

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【本当は怖い子どもの高熱】病気が診断されるまで【膀胱尿管逆流症治療記①】

2018年は本当に色んな事がありました。


1月に娘が原因不明の高熱で入院し、退院後もしばらく、歩くどころか座ることもできない日々が続きました。


3月には、すでにこのブログにも書いていますが、無謀運転の自転車に突っこまれ、娘と一緒に救急搬送されました。

 

10月にまた娘が入院し、それを機に大学病院で精密検査 を受けたところ、膀胱尿管逆流症であると診断されました。

 

来年2月頃には、手術をすることが決まっています。

 

上記の間に、近しい親戚の不幸などもあり、とにかくあまりポジティブでない出来事が盛りだくさん。

楽しいことも同様にたくさんありましたが、振り返るとどうしても、楽しくない出来事の方が思い出されます。


この記事は、色々とつらいことを反芻することになるので、あまり筆が進まないのですが…

同じ病気で苦しんでいる子どもさんとその親御さんにとって、何か少しでも参考になればと、書かせてもらいます。

 

娘の現状について

 

生後2ヶ月で高熱を出したことから始まり、複数回の高熱、入院を経て、2年以上かかりやっと2018年の11月、膀胱尿管逆流症(VUR)を患っていることがわかりました。

 

VURとは、本来尿管を通って膀胱に溜められる尿が、尿管と膀胱のつなぎ目の異常のため、再び尿管や腎臓に逆戻りする現象をいいます。

逆流により、尿路感染症(尿管や腎臓の細菌感染)を発症しやすくなり、腎臓に細菌感染がおこった場合は急性腎盂腎炎を起こし、高熱が出て、苦しい状態が続くことになります。

 

娘のVURの程度は、Ⅰ~Ⅴまでのうち、ⅣないしⅤ。

逆流しているのは、2本の尿管のうちの片側だけではありましたが、その程度はかなり重いものでした。

 

Ⅰ~Ⅲまでの軽度の逆流であれば、抗生物質を飲み続けることで細菌感染を防ぎながら、身体の成長とともに自然に治るのを待つ方法が一般的です。

ですが娘の場合は、医師からも手術ないしはそれに近い処置が望ましいとのアドバイスがあり、数か月後に手術を実施することに決まりました。

 

手術をすれば、逆流はほぼ完全に治るようです。

ですが、逆流の影響を受けたほうの腎臓は、エコー検査であきらかに小さくなっていることが判明しており、これは複数回の急性腎盂腎炎によりかなり傷ついていることを示しています。

腎臓の詳しい検査は、この記事を書いている時点では未実施ですが、おそらく傷ついて小さくなったほうの腎臓は、あまり機能していないことが推測され、それは残念ながら今後も治ることはないそうです。

 

とはいえ普段の娘は、毎日抗生物質を飲まないといけない以外は、普通の子と同じ生活で、元気に保育園で遊んでいます。

 

生後2ヵ月前に高熱が出る

 

娘は、生後2ヵ月にもならないぐらいの小さいときに、38~9度の熱を出しました。

すぐに、当時のかかりつけ医から、総合病院へ紹介状を書いてもらい 、そちらへタクシーで向かいました。

ちなみに紹介先の病院は、医師から尋ねられて、私が選びました。

選んだV病院は、私が住む地域では産婦人科が充実していることでそこそこ有名な病院であり、実際私も出産でお世話になった病院でした。

娘の一ヶ月健診もそこでしてもらっていましたし、土地勘のない私が、近隣で唯一知る病院だったので、急に「どこがいい?」と聞かれても選択肢は他にありませんでした。

 

ですが、この選択が間違いの始まりでした。

 

V病院では、確か血液検査をしてもらったと記憶していますが、特に問題なしとのこと。
いたって健康ですよといわんばかりの説明で、すぐに診察が終わり、帰宅しました。
実際、熱はその日か翌日には下がったと記憶していますが、発熱したこと自体が重要なサインだったと今は思います。

VURを患う乳児が、生後2ヵ月ぐらいで高熱を出すことは結構あることのようで、それがきっかけで診断がつき、 早めに対応できた例をいくつか耳にしました。

 

このときに医師が、少しでも尿路感染を起こしている可能性を考えてくれていれば。
また私が、V病院医師の言うことを鵜呑みにせず、ちゃんと調べて、病院をはしごしていれば。

 

この後何度も入院させることも、娘の腎臓に治らない傷を負わせることもなかったはずでした。

 

乳児の発熱を、甘く見てはいけません。

 

生後10か月で尿路感染症

 

生後10か月の頃、39度前後の高熱を出しました。

最初に、かかりつけ医に診てもらいましたが、特に問題無し。

翌日には例のV 病院へ行きましたが、検査もされることなく、やはり問題無しとの診断。

3、4日目にV病院にかかったときに、やっと検査がされて、尿路感染症と診断され 、抗生物質の処方がありました。

 

このときも、本当はもっと早く詳しい検査をしてもらうべきだったのでは。

また、診断後にも薬だけもらって帰されましたが、高熱がすでに数日続いていたことを考えると、熱が下がるまでは入院させる判断があって然るべきだったのでは。

疑問は尽きません。

 

娘を保育園に通わせ始めたのが生後8か月頃なんですが、そのころから常に風邪などにより発熱していました。

39度、40度の発熱も珍しくなく、また私自身が幼少期から同様に高熱を良く出していたこともあり、なんだか高熱に親が慣れてしまったというか、感覚がマヒしてしまったのもこの頃からでした。

 

かつ、そこそこ大きい病院の医師がやることだから、間違いのあるはずはないと。

頭の足りない新米ママは盲信していました。

 

1歳半で一時寝たきりに

 

1歳半時の高熱は、かなり症状の重いものでした。

解熱後もしばらくは、歩くことができなくなり、日常生活に戻るの は約1ヵ月かかりました。

 

ある日、朝は平熱で元気だった娘でしたが、夕方帰宅した頃から発熱しはじめ、あっという間に39度、40度に上がりました。


すぐに次の日の朝、かかりつけ医院へ(この頃は、それまでとかかりつけ医を変更していました)。
インフルエンザなど、いくつかの感染症の検査をしましたが、該当なしとなり、風邪薬だけを処方されて帰宅。


しかし、解熱剤も全く聞かず、発熱三日目も同じく40度前後の熱。次にV病院へ走りました。

 

しかしそこでも、特に尿や血液の検査はせず、胸の音と喉だけを確認し、風邪でしょうとのこと。(胸も喉も一切異常なく、風邪の兆候はなかったはずですが)

 

その次の日も状況が変わらないため、再度V病院へ行きますが、「これくらいの子(当時1歳半)で、4~5日高熱が続くことはよく あることです。週が明けてもまだ熱が下がらなければ来てください」と言われ、それ以上食い下がることなく帰宅。

 

その次の日は日曜で病院は休み。前日に医師から様子を見てくださいと言われていたこともあり、その通り呑気に自宅で看ていました。

ですが、娘は水分を取る際にも手がガタガタ震えており、布団で寝たきりの状態。

すぐに急病センターにかけこむべきだと今は強く思いますが、「水分が取れていれば大丈夫」「震えていても、ちゃんと目が合っていれば大丈夫」という楽観的な医師の言葉を信じ込み、延々つらい思いをさせて、週明け月曜を迎えました。

 

月曜になってももちろん状態は同じでしたので、再度V病院へ。

やっとそこで血液検査をしてもらい、即入院となりました。

後から当時の検査結果を改めてみても、炎症等を表す数値は異常な値となっており、非常に強い炎症反応があったことがわかります。

 

しかし、入院後に尿を検査しても、尿路感染症とは診断されませんでした。

他にも各種検査をしましたが、結局原因はわからないまま。

入院時には「肺炎の疑い」と言われていましたが、熱以外の症状は全くありませんでしたし、レントゲンでも肺炎を示す影は見られなかったようです。

適当か。


原因がわからないので、対応も的を絞ったことはできないのか?抗生物質を投与してからも3日程度は解熱せず。

細菌が血液まで回った状態で、かなり難航しているという説明がありました。

 

4 、5日目でやっと熱が下がり始め、7日目に退院となりました。


結局何の病気かは最後まで説明がなかったですし、また入院中の経過説明や実施した検査の内容など、素人ながら首をかしげざるを得ないことばかりでした。

 

子どもが入院すると、病状が快復してからは、元気を取り戻した我が子をベッドに静かに寝かせておくことに苦労します。

しかしこのときの娘は、悪い意味で、全くそういう苦労はなく、むしろ熱が下がり始めたころから、どんどん衰弱していくように見えました。

炎症反応はほぼ落ち着き、検査結果だけだと良好な状態になっても、ずっとベッドに寝たまま。呼び掛けに反応せず、か細く泣いているか、ぼーっと壁を見ている状態でした。

また、1歳を過ぎた頃によだれかけも必要なくなっていたのに、入院中に急にダラダラとよだれが垂れるようになり、よだれかけ無しでは服がビショビショになるほどに。それは退院後もしばらく続きました。

食事は発熱した頃から一切取っておらず、げっそり痩せてしまいました 。

 

帰宅してからもしばらくは同じ状態が続き、以前と同じように元気にしゃべったり、歩いたりできるようになるまで、 1か月を要しました。

とにかく普通の状態ではなかったです。

 

検査結果が正常値に戻っているはずなのに、上記のような異常な様子になっていることの説明も、医師からは特にありませんでした。

気持ちの問題かもしれませんねぇとのこと。

 

後になって強く思います。

 

医師が何と言おうと、親として、これはおかしいと思えば、詳しい検査をしてくださいと早い段階で何度も食い下がるべきだったと。

医師を盲信し、娘を何度も連れだしては、何もせずまた連れて帰るようなことをしていなければ。

あるいは病院を変えるなど手間を惜しんでいなければ。


娘の腎臓は傷まずに済んだと思います。

 

高熱にマヒしてきたとはいえ、さすがにおかしいと思うことは、初期からいくつもありました。

それを診察の都度伝えましたが、「そういうもんだ」という回答ばかり。

そんな医師には早く見切りをつけて、別の病院へ駆け込むべきだった。

後から思えば、こんなところに入院させている間に、もしものことが仮に起こっていても、なんらおかしくなかったのです。ぞっとします。

 

結局このときの病気が何だったのか、病院では診断がつかなかった ので、自分で色々と調べました。

あくまで素人調べですが、「急性巣状細菌性腎炎」だったのではと 思っています。

腎臓が細菌感染により炎症を起こすのが腎盂腎炎ですが、それよりもさらに強い炎症反応があるのがこの病気だそうです 。

にもかかわらず、尿路感染を疑わせる値が検査で出にくいのだとか 。

熱以外の症状が無いことは腎盂腎炎の特徴と同じ。

 

すべて合致します。

 

珍しい症例のようで、診断は難しいということですが、エコー検査 をすればわかるそうです。

V病院入院中に、ありとあらゆる検査をされましたが、エコ ー検査は一度もしませんでした。

本当に急性巣状細菌性腎炎だったかどうかはわかりません。ですが、おそらく普通は実施されるべき、必要な検査をしてもらえなかったことは事実です。

そもそも初期の診察時から、過去の病歴などから血液検査を早期に実施してくれていれば、ここまで重症化しなかったはず。

 

このときのことを思い出すと、今も本当につらいです。また、当時のかかりつけ医やV病院医師のこと、また自分のことも許せません。

病気がキレイに治っても、この悔しい感覚は生涯忘れないと思います。

 

発熱を甘く見てはいけません。
医師を盲信してはいけません。

 

2歳過ぎで尿路感染症による入院

 

2歳過ぎとなる、今年10月、各病院が休みの日に高熱が出たのですが、かつての教訓からすぐに急病センターへ。

すぐに血液検査をしてもらい、炎症値がかなり高いことがわかり、急病センター横にあるI市民病院の紹介を受けて、そこで再検査。

尿路感染症の診断となり、 そのまま入院となりました。

このときは、高熱が出てからすぐに適切な診断と処置ができたため、2日目には解熱し、5日で退院できました。

尿路感染症の治療としては、問題なく対応してもらったと思ってい ます。

 

しかしここでも、首をかしげることもありました。


退院前に、エコー検査がされました。目的は、VURである疑いを視野に入れ、尿の逆流が起こっていないか確認するということでした。

じっくり入念に診てくれていましたが、医師の診断は「問題なし」とのこと。

また、「腎臓の片方が小さいようだ」というコメントもありました が、総合的に、「特に異常は見当たらず、精密検査が必要な状況ではない」という診断。

 

プロは何というかわかりませんが、私たち夫婦は誤診だったと思っています。

 

逆流があるかどうかは、造影剤を投与する検査を受けなければ確定できません。だからわからなくても仕方ないかもしれない。

そして腎臓が小さいことにもコメントはされました。

ただ、それらを踏まえた結論として、医師に「問題ない」と言われれば、親は安心してしまいます。

 

ですが、すでに書いた通り、それから1ヵ月後には大学病院で、重度の尿の逆流があり治療が必要であること。そして腎臓はあきらかな異常があることが診断されるのです。

I病院医師が泌尿器専門の医師ではなかったとはいえ、これは誤診でしょう。。

 

医師を盲信してはいけません。

 

VURの検査と診断

 

かかりつけ医は、1歳半頃に変えていたのですが、変えた後の現在のかかりつけ医は、もともと小児泌尿器を専門とされている医師であるらしく、度重なる尿路感染症の発症を伝えたところ、一度精密検査をしておいたほうがいいということで、大学病院の紹介状を書いてくれました。

そして検査結果は予想的中、すでに書いたとおり、グレードⅣ~Ⅴの重度の逆流がありました。

色々検討の上、腹腔鏡手術を受けさせることで治療方針が決定し、 現在は、抗生物質を毎日飲みながら、数か月後の手術を待っている 状態です。

ちなみに治療については、いくつかの選択肢が提示されました。決定の経緯は、また別の記事で書く予定です。

ここではVURの検査について少し触れます。

 

検査では、おしっこを出すところから細い管をいれ、造影剤を注入して、尿の動きを見ます。

逆流があると、膀胱にたまった造影剤がピュ!と勢いよく腎臓のほうへ逆流するのが見えます。

最初の管を入れるときは多少痛いらしく(それでも注射よりは痛くない程度らしいです)、娘もよく泣きましたが、あとは比較的静かに検査を受けてくれました。

検査前に懸念点として、H大学病院の医師が説明してくれたことなのですが、特に女の子の場合、この検査により何人もの大人に体をおさえられ、無理に股を開かれて怖いことをされたという経験は、後々トラウマとなって残ることもあるそうです。

なので、何度もしなくて済むよう、なるべく手早くできるよう注意して行いますとおっしゃっていました。

そうですよね…まだ2歳の子にとって、親と離れて検査室に入り、手足を結束されて何かを注入されるなんて、恐怖以外のなんでもな いですよね…

娘の心に、傷となって残らないことを祈るばかりです。

 

ちなみに検査の開始までは、一緒に検査室に入り、レントゲン撮影時も隣の部屋で待機して、透明な板を通して様子を見ていることができました。

私はもちろんそばにいて、笑顔で飛んだり跳ねたりして娘の注意をずっと引いていましたが、夫は別室へ逃げていきました(笑)かわいそうで、とても見ていられないらしいです。

夫は普段、非常にタフな精神力の持ち主なんですが、娘のこととなると、急に多感で弱気になります。

私は仮に、目の前で娘が開腹手術をされていても、それが必要な治療であるなら見届けたいと思います。ですが男性はそうではないようです。

男女差なのか、あるいは個人差なのかはわかりませんが、父と母の違いは面白いですよね。

 

教訓

 

以上が、VURと腎臓の異常が発覚するまでの経緯です。

とにかく何度も書きますが、

  • 発熱を甘くみてはいけません。
  • 医師を盲信してはいけません。

「子供は病気しながら強くなるから」「心配しなくても、高熱で死ぬことなんてまずないから」とか言われるんですよ。
「初めての子育てで、心配でしょうがないんだろうけど・・・」というニュアンスで、皮肉っぽく言われることもあります。
でも、子どもにも色々居て、大丈夫な子もいるけど、大丈夫じゃない子もたくさんいるのです。
何度も高熱が出る。すぐに40度を超えるような熱が出る。
そんなときは、何か病気が隠れているかもしれません。


小児科医も万能ではなく、専門外の病気だと、大事なサインをいとも簡単に見落とします。

なるべく、色んな先生に意見を聞いて、子どもが病気じゃないことを納得いくまで調べないといけません。

親は、なるべく悪い結果を考えたくないから、たとえ調べても、そうであってほしいと思う内容だけを信じてしまうように思います。

私がそうでした。

「高熱 続く」等で検索しても、「水分が取れていれば大丈夫」などの記述だけ見て、呑気に構えてしまった。

 

医師は最大公約数的にしか子供を見てくれません。
「たいていの子はこういうもんだから」「発熱して○日程度は様子をみるのが一般的だから」という、経験や統計データにより、 機械的に診断をします。

大勢の患者を抱える医師にはそれも仕方ないことだとも思います。

 

しかし親にとっては、多くても数人の我が子。生まれてから今までの経緯を熟知した我が子です。

何かあれば病気の可能性を疑い、十分に、心配し過ぎてあげましょう。

わかった頃には手遅れ、となるよりは、医師から面倒な親だと思われるほうが100倍マシです。

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ちなみにですが、度重なる医師に対する不信感から、最近診察時にはボイスレコーダーを使用しています。

何かあったときの証拠にという思いもありますし、そうでなくても落ち着かない子供の診察時、録音できていると後で確認できて大変便利です。

このブログで紹介しているのでよろしければ見てみてください。

 

www.hijikimame.com

 

 

今後、手術前検査や手術を控えています。

また合間を見て、ここに治療記を追加していくつもりです。