ひじきまめ通信

出産、育児、その他もろもろ

手術決断のとき

大げさなタイトルにしましたが、決断もなにも、助産師さんの帝王切開の提案に対して、私としては即断即決でした。
むしろ、もっと早く、具体的には入院から10時間を超えたあたりで、「もういいんじゃない?切ってちょーだいよ」と密かに思っていました。


ただ、帝王切開は、腹筋をバッサリと切ることになり、ただでさえ産後すぐに赤ちゃんのお世話で満足に眠ることもできないお母さんにとって、 とても負担の大きい手術です。病院側もむやみに進めることはありません。


そして実は、身体的だけでなく精神的にも、帝王切開というのは後々、色んなことがありました。私は出産時点では、無知で知らなかったのですが、 帝王切開というのは(特に一定以上の年齢層の方たちにとっては)禁断の処置ともいえるもののようで、術後、退院後、ことあるごとに複雑な思いになるシーンがありましたね。
それはまた別の記事にまとめさせてもらいます。


ここでは帝王切開に決める際の経緯について、書いておきます。

待てど暮らせど、子宮口が1センチから開かずに、陣痛開始から10時間を超え、その後やっと3センチ開いてからもまた進展せずに、20時間経過するころ、 微弱陣痛という状態になりました。
微弱陣痛とは、「陣痛があるものの、お産が進まない状態」で、症状にはいくつかのパターンがあるようです。私の場合は、お産が進まず(子宮口が開かず)、 そのまま陣痛間隔がだんだんと開いてきました。このままだと、お腹の赤ちゃんも私自身も疲れてしまい、場合によっては危険な状態になるようです。

陣痛が始まってから、眠ることも食べることもできないでいたのですが、20時間が経過する頃には、陣痛の波間に一瞬寝落ちしているというか、気を失っているような状態になり、 また陣痛の痛みにより起こされて一通り苦しんで、波が過ぎたら(座ったまま)気を失うという状態になりました。このあたりで、担当の助産師さんがお医者さんに状況を説明してくださり、 それを機に帝王切開の提案を受けることになります。

選択は2つに1つでした。微弱陣痛のままだと体力を消耗するだけのため、「陣痛促進剤を投与して、再度5分間隔の陣痛を促す」か。
帝王切開へ切り替える」か。
陣痛促進剤を投与すると、再び強い陣痛が蘇るのは確実ですが、かといって子宮口が開いてくるかどうか、開いたとしても、さらにあと何時間、何十時間かかるのか、 それはわからないということでした。最悪の場合、促進剤で再度延々苦しんで、その後帝王切開になることも十分あり得るということ。 

 

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無理でしょう。すでに疲労困憊でしたよ。トラックにさんざん乗りあげられて20時間ですよ?

帝王切開は、身体的にも精神的にもしんどい面が多々ありました。それを踏まえても、もう一度同じ局面に立てば、同じ選択をします。
ただ、その時の私は、出産により興奮状態にあり、また疲労で判断力が低下しており、なんというか、ただただ「負けた」ような気がして、涙があふれたのを覚えています。
その際に、お医者さんから冷静な声で言われたことが今も心に残っています。
帝王切開手術は、全く泣くようなことではないです。私たちは、お母さんと子どもが安全に出産を終えられるよう、常に最善の方法を提案しています。 今、最善の方法は帝王切開です。」

この言葉は、色んな意味で私にとって救いの言葉でした。
これから出産を経験されるプレママさんたち、もし何らかトラブルがあり、帝王切開など予期しない処置をする展開になったとしても、漠然とした不安や無駄な外野の声は気にせず、 お医者さんや助産師さんを信用しましょう。プロが言うんだからそれが一番いいのです。(一部例外的に、判断ミスなどもあるようですが)