私は以前、自転車同士の事故に遭いました。
その際に強く実感したこととして、「100%被害者になると損をする」ということがあり、前回記事にしました。
上記のほか、もうひとつ実感したのは、「交通事故の治療と健康保険のグレーな?関係」でした。
ここでは、後者について書きます。
交通事故の治療には健康保険は使えないのか
「交通事故の治療には健康保険は使えない」という話を聞いたことがありますか?
私は自分が事故に遭うまでは知らなかったのですが、比較的よく耳にする類の話のようですね。
そして、使えないというのは、どうも誤りのようです。
旧厚生省時代にも、現厚生労働省からも、使えるという意味合いの通達が出ているようですので、おそらく使えるという理解で間違いないでしょう。
ですが、私も今回、色んなところから実際に「使えない」と言われました。
治療のために受診した病院の受付で言われ(相手保険会社の担当者との交渉で、どうやら折れて使うことに同意したようでしたが)、その数か月後には、加入する健保組合からもやはりダメだと言われました。
私の場合は、通勤中の事故だったため、労災保険の範疇であり、その意味で健康保険はダメなのか。あるいはそうでなくとも、使ってはダメなのか。
そのあたりは、相手もあえてわかりづらい説明をしている気配があり、最後まではっきりしませんでした。
ともかく今回は健康保険を使えなかったため、最終的には相手保険会社により、いったんは全てが解決した後で、遡及で満額が支払われましたが、そこに着地するまでには、多くの交渉・調整が必要でした。
(労災申請はしませんでした。申請するための膨大な手続きが、その成果と全く釣り合わないため)
世間のみなさんは、事故に遭われた際、治療にあたりこの問題をどうされているんでしょう…
健康保険を使わないなら、受診者個人による多額の治療費立替が必要ですので、数万単位の持ち合わせが無い場合は治療を受けられません。
加害者側保険会社が最初から全額支払ってくれればいいですが(最後に過失相殺により減額されたとしてもそれが一番スムーズだと思います)、そうではなく、健康保険を使うよう求めてきた場合、そのまま承諾して進めていると、数か月後に健康保険運営団体から色々文句を言われます。(少なくとも私はそうでした)
通常はそのあたりは、保険会社に任せているため、個人さんでは特に感知されていないのでしょうか。
どうするのが正解なのか、どこ情報が正しいのかいまだにわかっていません。
労災が絡んでくると注意
結局正解がわからないままになりましたので、教訓とするのも難しいのですが、1点、「労災が認められる…というか労災になってしまう」ケースには注意が必要なことだけはわかりました。
もう経験したくないですが、次にまた事故にあって病院にいくことがあれば、まずその事故が労災となる可能性があるかどうかを、勤務先の有識者にすぐに確認します。
そこで可能性ありと判断された場合は、その旨相手保険会社に伝え、絶対健康保険は使いません。
何か月も経ってから、返納だ~、再申請だ~、合意内容への異議申し立てだ~と、面倒事が山ほど出てくるからです。
※タイムラグがある理由は、健康保険の運営主体が、支払った保険料の内訳を知るタイミングが数か月後だからです。
これまで「労災が認められる」という言葉には、プラスの響きを感じていましたが、実際は、認められるほうが面倒になるケースもあるのだなと知りました。
怪我が無かったのだから、それだけで良かったのです。それはそうだけど。
今回の事故では、今まで書いた以外にも、些細なことまで含めれば、たくさんの面倒ごと、ネガティブなことがありました。
- 事故当日に、寒い中雨ざらしで救急車を待ったり、遅くまで病院に居たりしたことで、子どもに風邪を引かせてしまった
- 通院のため、仕事を休まなければならなかった
- 自転車のハンドル周りが破損し、数日は保育園への送迎手段として自転車が使えなかった(片道徒歩で40分)
- 事故翌日の外出予定も変更せざるを得なかった
- 警察にも相手保険会社にも、色々と無礼で不快な言葉をかけられた
- 非が無かったがために個人による示談交渉を余儀なくされ
- ケガも軽く賠償額が微々たるものだったがために示談内容に不満があっても弁護士を頼むこともできず
- オマケですが寄り道の最中などではなくマジメに通勤途上の事故だったがために労災が認められ(る可能性が高く)、健康保険組合も頼れなかったわけです。 (健康保険を治療に使うことがダメなケースでも、返金は普通、被保険者個人に求めるのではなく、相手保険会社へ直接交渉して請求されるようです。つまり被保険者は、放っておけば、健康保険か相手保険会社のどちらかが治療費を全額払ってくれるわけです。それが労災でさえなければ。)
- お天気がややこしいときは自転車に乗らない(こちらが合羽着用&慎重に運転していても、傘さし運転でアホみたいにスピードを出す輩が必ずいる。)
- 子供が嫌がってもヘルメットをかぶせる(たとえヘルメットをかぶっていても今回の事故を避けることはできませんでしたが、けがのリスクは減らすことができました。というかかぶせていないと道交法違反になります。)
- 加害者になった場合の対処の仕方も同時に学んだ(子供が他人へ危害を加えてしまった場合の、親としての対処は、今回参考になりました。)